日本若手精神科医の会(Japan Young Psychiatrists Organization; JYPO)[http://jypo.umin.jp/]と「東北地方の精神科医師の勤務に関する調査」に関して共同研究を行っています。
研究概要:ここ数年、医師国家試験合格者に占める女性の割合が増加し、他科領域においては女性医師の勤務実態調査や仕事に対する男女の意識調査が行われている。精神科領域においては、2007年3月に日本若手精神科医の会により、卒後12年以内の男女若手精神科医師を対象にした勤務状況調査および育児と仕事の両立に関する意識調査が行われた。その結果、女性医師の16%、男性医師の23%が12時間以上勤務、女性医師の32%、男性医師の39%が月5日以上の当直と過酷な労働環境にあること、将来は非常勤勤務や短時間勤務などの勤務形態を望んでいる割合が特に女性に多いことがわかった。また育児と仕事の両立に関する意識調査では、女性で育児などのライフイベントがより仕事に影響すると考え、育児前の女性医師は両立が困難であると強く懸念している現状が把握された。この結果より、男女双方を対象に勤務形態の見直しと多様な勤務形態の模索をし、その上で仕事と育児の両立支援策が必要であると考えられた。
そこで、「東北地方の精神科医師を対象とした現在の勤務状況および育児中に利用したい勤務形態に関する調査」および「精神科施設・病院における育児中の医師に対する実現可能な勤務形態に関する調査」について、研究代表者を菊地紗耶会員(宮城県)として行う。